老骨、去る

最高齢配達員の爺様が今日で辞める運びとなった。御歳80前後。結構剽軽なジイさんである。
結婚歴無く難病のお姉さんを看取ったのち、独居で「ボケるといかんから」等の理由で一年ほど前に入られた。本来なら丁重にお断りする処を元郵便局員というので採用、実際誰より早く順路を覚え精確に配達された。
昨日腰痛だかで通院、休まれて今朝は連絡つかず皆が心配し自宅まで様子を見に行ったりもした。結局かなりの長距離を自転車自力で来られたのだが。…そういった気遣いの荷と、やはりお歳による体調もあったのだろう、辞める宣言は急だった
おれは内勤のみ、配達しないので「お先に失礼します」といい帰るのがいつものパターンだ。何とはなしに腰掛けたそのジイさんにも一礼。てか最敬礼。 したら、、
「ワタシの方が〝お先に失礼〟するよ」
といって豪快に笑われた。……歳を取ることについてしばし考えた