○○歳と十一歳のカルテ

『病気の総合商社』の異名を持つ俺でなく、珍しくHが体調を崩し会社の人に送られて早々に帰宅。それで昨日は病院ハシゴした。俺の師匠から「首から下で生きてゆけ」と云われたヤツが脳外科なんぞにかかるハメになるとは思いも寄らなかった。こんな俺サマでも、そりゃあ一寸は心配するサ長い付き合いの収入源同居人を。が、、
出来上がったCT見て爆笑をこらえるのに必死になった。頭蓋骨、中身に比して明らかに分厚っ!
それからもう一軒、俺の馴染みに連れてゆき、暗くなってからウチに着。朝から「帰宅後、待機」を命ぜられていた息子は退屈だったらしく、コレも珍しく(テメェで言うのもナンだが)マトモそうな俺に学校であった事なんぞ報告し始めた。書初め大会があったという。何て書いたか当ててみろと。四文字で漢字入りが縛りだ。
「『鹿のクソ』。」
「前、おれがゆうた奴やん。クソはちゃんとカタカナで書いたやろな?…あ、違うん。じゃあ『A級戦犯』はどや?」
「何ソレ……食い物系とみた。『焼肉定食』。」
「安直やな。大体オメーもそれ書けんのかよ、問診に運転〝ふのう〟て書いたヤツが。って、喰いモンでなければ『木っ端微塵』は…字余りやしなぁ」


「――僕はいま初めて〝恵まれない星〟の下にいるんだって分かったよ」
……そうか、今頃気付いたのか。これまでシアワセだったと分かって俺は嬉しいかぎりだよ